ここでは、近代に変更された遠江・駿河国界 (国境) と、そのまさに変動したエリアである新志太について分析しています。

そもそもどこか?

変動の舞台は、現在の静岡県 焼津市の南部で、近世 遠江とおとうみはいばら郡の大井川左岸 (北東岸) 各村 (近世 源助村・上泉村・善左衛門新田村・相川村・上新田村・下江富村・西島村・むなだか村・上小杉村・下小杉村・藤守村・中島村・吉永村・吉永利右衛門分・高新田・うけ新田・ぶち村・飯淵新田村) である。地形図にその範囲を重ねて示せば以下のとおり。

Fig.144 新志太 (遠江・駿河国界): 明治12年(1879)
Fig.144 新志太 (遠江・駿河国界): 明治12年(1879)
天保郷帳・国絵図の村々
近世 遠江国 榛原郡
  • 6. 源助村※1
  • 7. 上泉村※2
  • 8. 善左衛門新田村
  • 9. 相川村※3
  • 10. 上新田村
  • 11. 下江富村※3※4
  • 12. 西島村※5
  • 13. むなだか※6
  • 14. 上小杉村※7
  • 15. 下小杉村※7
  • 16. 藤守村※3
  • 17. 中島村
  • 18. 吉永村※8
  • 19. 吉永利右衛門分※9
  • 20. 高新田※10
  • 21. うけ新田
  • 22. ぶち※11
  • 23. 飯淵新田村
近世 駿河国 志太郡
  • 1. 田尻北村
  • 2. 北新田村※12
  • 3. 下小田村
  • 4. 石津村※13
  • 5. 与惣次村※14
  • 6. 道原村
  • 7. 田尻村※15
  • 8. 一色村
  • 9. 惣右衛門村※16
  • 10. 上小田村
  • 11. 三郎兵衛新田
  • 12. 中根新田
  • 13. 祢宜島村
  • 18. 大住新田
  • 19. 三右衛門新田※17
  • 20. 中根村
  • 21. 本中根村※18
  • 22. 大島村
  • 23. 大島新田
  • 24. 中新田村
  • 25. 与左衛門新田
  • 26. 兵太夫新田
  • 27. 土瑞村
  • 28. 弥左衛門新田
  • 29. 忠兵衛新田
  • 30. 五平村
  • 31. 御請新田
  • 71. 細島村※19
  • 102. 久兵衛市右衛門請新田
  • 126. 治兵衛・長次右衛門 請所新田※20

変動したのは濃淡の紫色で示した範囲であり、淡紫色が変更前の国界 (国境)、濃紫色が変更後の国界である。見てわかるように、この範囲は遠江国のうち、大井川の左岸 (北東側) にあって地形的な飛地となっていた。『天保遠江国絵図』で示せば、以下に示す部分である。

Fig.563 天保遠江国絵図 (国立公文書館所蔵)
Fig.563 天保遠江国絵図 (国立公文書館所蔵)
注釈

要因と経過

明治12年(1879) 2月28日付の太政官達※1により、遠江国 榛原郡の大井川左岸各村は、駿河するが郡に移され、遠江・駿河の国界は南西へ移動した。

静岡県へ達
その管轄下の遠江国 榛原郡 源助村・上泉村・相川村・西島村・中島村・ぶち村・吉永村・上新田村・下江留村・むなだか村・上小杉村・下小杉村・藤守村を駿河国 志太郡ヘ組み替え、右の源助村以東、大井川中央をもって駿河・遠江の国界と改定する旨、達する

静岡縣へ達
其縣管下遠江國榛原郡源助村上泉村相川村西島村中島村飯淵村吉永村上新田村下江留村宗髙村上小杉村下小杉村藤守村ヲ駿河國志太郡ヘ組替右源助村以東大井川中央ヲ以テ駿河遠江之國界ト改定候條此㫖相達候事

太政官達(明治12年(1879) 2月18日付)

変動部分は新たに志太郡になったことから「新志太」と呼ばれたという※2

注釈

データシート

データシート (新志太: 遠江・駿河国界)
変動地域新志太 (遠江国 榛原郡の大井川以東)
要因郡区町村編制法施行にともなう再編
変動の確定時期明治12年(1879) 2月

更新履歴

内容

:

  • 改訂の上で全体を『近世国絵図総覧』のコンテンツに移行した。

:

  • 『国絵図と国界』の一部として修正。

:

  • 同、新規作成。