慶長の備前国絵図は岡山大学 池田家文庫所蔵で絵図公開データベースシステムで公開されている国絵図であり (T1-5: 『〔備前国図〕』)、慶長年間(1596〜1615) に作成されたものと推定されている。ただし徳川政権 (江戸幕府) によって作成が命じられた慶長の国絵図との関係は不明とされる。デジタル岡山大百科でも参照できる (T1-5: 『〔備前国図〕』)。
この慶長の備前国絵図に小豆島・直島は含まれていない。
日本六十余州国々切絵図には備前・讃岐両国とも含まれ、備前国絵図に小豆島・直島は描かれていない。
讃岐国絵図に小豆島・直島は描かれている。
池田家文庫の存在によって備前国の国絵図は多く残され、現在でも参照することができる。中でも『備前国九郡絵図』(T1-14)は慶長の備前国絵図に次いで古い国絵図であって日本六十余州国々切絵図と同じ寛永年間(1624-1644) のものである。
池田家文庫には元禄の備前国絵図も含まれ、直接の控え図が現存する (T1-19-1『備前国絵図』)。
このほか正徳5年(1715) の複製 (T1-15『備前国絵図』)、明和2年(1765) の複製 (T1-2『備前国絵図』)・同様と思われる色彩の異なるもの (T1-11『備前国絵図』) が現存する。