ここでは、近代に発生した大隅・薩摩国界 (国境) の変動と、その変動したエリアである桜島について分析しています。

そもそもどこか?

菱刈では、近代に入って再び国界が変動した。地形図にその範囲を重ねて示せば以下のとおり。

全体
Fig.209 桜島 (大隅・薩摩国界): 明治29年(1896)
Fig.209 桜島 (大隅・薩摩国界): 明治29年(1896)
詳細
Fig.168 桜島 (大隅・薩摩国界): 明治29年(1896)
Fig.168 桜島 (大隅・薩摩国界): 明治29年(1896)
薩藩政要録の村々※1
大隅国 大隅郡 桜島郷※2
大隅国 大隅郡 牛根郷※14※15
  • 20. 麓村
大隅国 大隅郡 垂水郷※16※17
  • 25. 海潟村

変動したのは濃淡の紫色で示した範囲であり、淡紫色が変動前の国界 (国境)、濃紫色が変動後の国界である。『天保大隅国絵図』で示せば、以下の部分にあたる。

天保薩摩国絵図 (変動なし)
Fig.915 天保薩摩国絵図 (国立公文書館所蔵)
Fig.915 天保薩摩国絵図 (国立公文書館所蔵)
天保大隅国絵図
Fig.627 天保大隅国絵図 (国立公文書館所蔵)
Fig.627 天保大隅国絵図 (国立公文書館所蔵)
注釈

要因と経過

明治29年(1896) 3月、郡制の施行にともない、大隅国 北大隅郡と薩摩国 鹿児島郡・谿山郡は統合され、新たに薩摩国 鹿児島郡が編成された。同年 3月29日付の法律第55号 (官報 3月30日) による。

法律第55号
Fig.355 鹿児島県下国界変更及郡廃置法律・御署名原本・明治二十九年・法律第五十五号 (国立公文書館所蔵)
Fig.355 鹿児島県下国界変更及郡廃置法律・御署名原本・明治二十九年・法律第五十五号 (国立公文書館所蔵)
法律第55号
Fig.366 鹿児島県下国界変更及郡廃置法律・御署名原本・明治二十九年・法律第五十五号 (国立公文書館所蔵)
Fig.366 鹿児島県下国界変更及郡廃置法律・御署名原本・明治二十九年・法律第五十五号 (国立公文書館所蔵)

鹿児島県 (管轄下の) 薩摩国 鹿児島郡および谿山郡、ならびに同県 (管轄下の) 大隅国北大隅郡を廃し、その区域もって鹿児郡を置き、薩摩国に属するものとする。

鹿兒島縣薩摩國鹿兒島郡及谿山郡竝同縣大隅國北大隅郡ヲ廢シ其ノ區域ヲ以テ鹿兒島郡ヲ置キ薩摩國に屬ス

法律第55号 (明治29年(1896) 3月29日付)

北大隅郡は近世 大隅郡のうち桜島の各村を含む部分である。これによって、本来は大隅国だった桜島は、薩摩国に属することとなった。

データシート

データシート (桜島: 大隅・薩摩国界)
変動地域桜島
要因郡制施行にともなう再編
変動の確定時期明治29年(1896) 3月

更新履歴

内容

:

  • 改訂の上で全体を『近世国絵図総覧』のコンテンツに移行した。

:

  • 『国絵図と国界』の一部として、新規作成。