オンラインで参照できる武蔵国絵図 (武蔵国の国絵図) のリストと詳細情報を提供しているページです。
↓一覧へ移動武蔵国 (武州) は東海道に属する国である。国立公文書館所蔵の『天保武蔵国絵図』は勘定所旧蔵 (#764171) が現存・オンライン公開されている。

本図は文字の擦れや塗料の剥離が多く、また折り目で裂けた部分やその補修跡も目立つ。事故による破損や経年劣化ではなく、幕府のお膝元として頻繁に参照されたためだろう。
全般には『正保武蔵国絵図』がオンライン公開されていないため、参照可能な国絵図としては最小限といえる。地理・歴史資料として参照する限りは『正保武蔵国絵図』『元禄武蔵国絵図』は『正保年中改定図』『元禄年中改定図』で問題なく代用できるが、色彩および国絵図全体としての体裁はわからない。
『日本六十余州国々切絵図 (余州図)』は、秋田県公文書館に 68国のすべてが現存し、秋田県公文書館デジタルアーカイブで公開されている。『日本六十余州国々切絵図』の通称も同館のものによる。『余州図』についての一般論は『6. 寛永国絵図・日本六十余州国々切絵図』を参照。

上は『日本六十余州国々切絵図 武蔵国』(#15705)で、同館にはほかに『余州図』として『武蔵国21郡絵図』(#120504)が現存する。

下総国と同様であれば、これと同じ系統にあるものに岡山大学 絵図公開データベースシステムで公開の『〔武蔵国絵図〕』(#T1-83)が存在し、またやはり下総国と同様であれば #15705と同じ系統にあるものに京都大学貴重資料デジタルアーカイブで公開の『武蔵国[東海道図]』がある。下総国の『余州図』の検討については『28.2.1. 新方(b)』を参照。
国立公文書館所蔵、中川忠英旧蔵の国絵図群 (通称『日本分国図』) には武蔵国のものが含まれるが (#714364 )、オンラインでは公開されていない。
本図については参照が多く、すでに評価されているところではあるが、記載されている国高は『福井』によれば 982,337.9658石※1で、これは『武蔵田園簿』の国高 982,337.9658石※2に一致し、『正保武蔵国絵図』と確認できる (正保国絵図についての一般論は『7. 正保国絵図』を参照)。前述のとおり本図はオンライン公開されていないが、地理・歴史資料として参照する限りは『正保年中改定図』で問題なく代用できる。
国立公文書館所蔵、松平乗命旧蔵の国絵図群 (通称『日本分国絵図』) にも武蔵国のものが含まれるが (#725326)、やはりオンラインでは公開されていない。本図には村高の記載はあるものの、国郡高は記載されていないため石高からその性質を特定することは難しい。しかし、様式や描かれている景観や※1、『正保年中改定図』との比較により『正保武蔵国絵図』であることを確認できる。
本図は前述のとおりオンライン公開されていないが、『新編埼玉県史 通史編3 近世1』(1988) に別刷りの『附録2』として収録されている。

もともと印刷物であることから解像度が不十分なことに加え、多色刷りであることから色調がおかしく、またその品質も悪いため村名の判読はほとんどできない。外観と全体の様式を確認できる程度といえるが、貴重なものではある。
本図は単に「武蔵国絵図 (国立公文書館内閣文庫蔵)」とされている。しかし国立公文書館所蔵の武蔵国絵図のうち、正保国絵図かどうかが問題となるのは中川忠英旧蔵・松平乗命旧蔵のどちらかに限られること、およびその後者の特徴※2に一致すること、また『江戸時代の神奈川 古絵図でみる風景』(1994)に『日本分国絵図』(松平乗命旧蔵の通称) の『武蔵国図』として掲載されている部分図※3が本図の対応する部分に一致することから、松平乗命旧蔵ということが確かめられる。なお色調については同部分図が正常なものである。
| ^ ※1: | 葛飾郡の新田開発・分村状況 (村数) と干拓が進んでいないこと、および肥土村が存在しないことなど。 |
| ^ ※2: | 国郡高が記載されていないこと、および『大日本帝国図書印』『明治十四年献本』の朱印が捺されていること (『福井』)。 |
| ^ ※3: | 神奈川県が関係する南東沿岸部。なお紙面レイアウトの都合上か、西が上になっている。 |
『正保武蔵国絵図』には『東京市史稿 市街篇第6 附録』(1928) 収録のものもある。

これは「素行会所蔵・伯爵松浦家保管」とされるもので、これを原本とし、あらたに模写した上で多色刷りしたものと考えられる。背景となる自然描写などは単色・単純化され、海や隣国色別も彩色されておらず、国絵図における絵画的な性質は失われている。ただし隣国色別については松平乗命旧蔵でも彩色されていないことから、もとからだったと思われる。
文字情報を中心とする内容そのものは忠実に再現されているようで、またもともと判読を考慮して大判にしたとみられることから史料としては十分といえる。なお原本については現在、所在を確認できず、残念ながらすでに失われてしまったのだろう。
→ 『凡例』
| 種別 | 参照可否・確定 | 名称等 | 所蔵・公開 | 備考 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 確定 | 他 | 根拠 | ||||
| 余州 | 所蔵 | #120504 | 秋田県公文書館 デジタルアーカイブ | 写 | ||
| 余州 | 所蔵 | #15705 | 秋田県公文書館 デジタルアーカイブ | 写 | ||
| 余州 | 筆者 | T1-83 | 岡山大学 絵図公開 データベースシステム | 写 | ||
| 余州 | 筆者 | 武蔵国[東海道図] | 京都大学貴重資料 デジタルアーカイブ | 写 | ||
| 正保 | 備考 | 正保年中改定図 | 国立公文書館 デジタルアーカイブ | 写 『新編武蔵国風土記稿』に所収、『正保相模国絵図』が郡ごとに分割されて収められている。 | ||
| 正保 | 所蔵 | 中川忠英旧蔵 (#714364) | 国立公文書館 デジタルアーカイブ | 写 → 参照 | ||
| 正保 | 所蔵 | 松平乗命旧蔵 (#725326) | 国立公文書館 デジタルアーカイブ | 写 → 参照 | ||
| 正保 | 所蔵 | 東京市史稿所収 | 『東京市史稿 市街篇第6 附録』(1928) 所収 | 写 → 参照 | ||
| 正保 | 所蔵 | 武蔵国絵図 | 収蔵歴史アーカイブス データベース | 下? | ||
| 元禄 | 備考 | 元禄年中改定図 | 国立公文書館 デジタルアーカイブ | 写 同じく『新編武蔵国風土記稿』に所収、『元禄相模国絵図』が郡ごとに分割されて収められている。 | ||
| 天保 | 所蔵 | #764171 | 国立公文書館 デジタルアーカイブ | 正 (勘定所) | ||
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2026.02.23:
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